未経験職の分岐点|46歳男性・製造業→ITサポート職へ
「もう一度、人生をやり直せたら」
私は46歳。これまでの人生を振り返ったとき、決して派手ではなかったけれど、地道にまっすぐ働いてきたつもりです。
20年以上勤めた製造工場。汗と油のにおいが染みついた作業着、決まったルーティン、同じ毎日。気がつけば、それが「当たり前」になっていました。
でも、ある日突然の人事異動——管理部門への配置換え。
人との関わりが増え、苦手な上司に囲まれ、次第に心がすり減っていくのを感じました。
「限界」は、静かにやってきた
辞めたい。でも家族もいる。娘は高校生。妻は専業主婦。
それでも、朝、会社に向かう電車の中で息苦しくなるようになり、「このままでは壊れてしまう」と思い、退職を決意しました。
ハローワークに行った時、相談員からの一言が忘れられません。
「未経験で40代後半となると…かなり厳しいですよ」
わかってる。でも、それを他人に言われるのは、悔しかった。
「お父さん、機械得意じゃん」——娘の何気ない一言
退職してしばらくは、心が真っ白でした。
履歴書を出しても返事は来ない。
どこかで、「もう自分には価値がないのかもしれない」と感じていたある夜、娘がふと言ったんです。
「お父さん、家の家電とか、PCとかすぐ直してくれるよね。なんでそういう仕事しないの?」
はっとしました。確かに、誰よりも家のPCやWi-Fiをいじっているのは私だった。
その言葉に背中を押されて、「未経験 40代 転職 パソコン 好き」で検索しました。
「ITサポート」なら、やれるかもしれない
見つけたのは「ITサポート」「ヘルプデスク」といった職種。
「ユーザーの困りごとを聞いて、解決する」
現場経験や高度なプログラミングスキルがなくても、必要とされるということを知りました。
翌日、地域のパソコン講座に申し込みました。基礎から学び直すつもりで、Excelやメール操作、ネットワークの基本を少しずつ身につけていきました。
最初はちんぷんかんぷん。でも、「わかるようになる」感覚が楽しくて、毎日の勉強が習慣になっていきました。
はじめての面接、そして採用
未経験歓迎の派遣ITサポート職に応募。書類は手書きで、志望動機には「娘の言葉に背中を押されました」と正直に書きました。
面接で、年齢の話題になったときも正直に話しました。
「製造業で20年続けてこられた継続力、そしてご家族の声をきっかけに新しい道を選んだ柔軟性。むしろ信頼できます」
そう言われた時、目頭が熱くなりました。
結果は、即日内定。
「この歳でも、まだチャンスはあるんだ」と思いました。
転職後の生活:仕事が「怖くなくなった」
現在は、IT企業の社内サポートチームに所属し、社員のPCの初期設定やトラブル対応をしています。
もちろん、すべてがスムーズなわけではありません。知らない専門用語に戸惑ったり、ネットワークの仕組みに苦戦したりもします。
それでも、「できるようになった」「ありがとう」と言われる瞬間が、何よりのやりがいです。
心が軽くなりました。電車に乗るのが怖くない。週末に家族で出かける気力もある。
お金だけじゃない。心の健康が、何より大切だと気づかされました。
最後に——「遅い」なんてことはない
「未経験 40代 転職 厳しい」——確かにそうでしょう。現実は甘くない。
でも、それでも行動した人にだけ、別の現実が見えてきます。
あなたも、今、迷っているなら。
その迷いこそが、分岐点です。
そして、いつからでも、どこからでも、人生はやり直せると、私は信じています。
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