フリーターからの分岐点|33歳男性・飲食バイト歴10年→物流会社の正社員へ
「どうせ正社員なんて無理だろ」——それが口癖になっていた
33歳。大学を出たあと、夢も目標もないまま、なんとなく始めた飲食バイト。
「とりあえず生活できればいい」と思っていた日々が、気づけば10年。
友達の結婚、昇進、家の購入……SNSで流れてくる同年代のリア充が、どこか遠く感じていた。
「就職?今さら?」
「バイト歴しかない自分なんて、無理に決まってる」
そんな言葉を、自分に言い聞かせていた。
本音では、心のどこかで焦っていたのに。
夜中3時の検索——「フリーター 就職 できない」
その夜も、閉店後のまかないを食べて帰宅。シャワーを浴び、スマホをいじる。
ふとした瞬間、「就職って、もう無理なのかな」とつぶやいた。
気づいたら、検索窓に入力していた——
「フリーター 就職 できない」
表示されたのは、同じように悩みながらも一歩を踏み出した人の体験談。
「自分も、変われるのかもしれない」
小さな希望が、胸に灯った瞬間だった。
やり直すなら、今しかないと気づいた
翌日、休憩中に転職サイトを開いた。
「フリーター歓迎」「未経験OK」——そんな言葉に少し安心した。
でも、やっぱり不安だった。
10年のバイト歴をどう説明すればいい?
面接で何を聞かれる?
そもそも、正社員になったらやっていけるのか?
でも、「このまま40代になるのはイヤだ」と思った。
やり直すなら、今しかない。
履歴書と向き合った時間は、過去と向き合う時間だった
久しぶりに書いた履歴書。空白のように感じた10年間。
でも、思い返してみれば——
・クレーム対応を一人で乗り切った日
・新人の育成を任された経験
・売上を伸ばすために考えたPOP作り
それらを丁寧に書き出すことで、「俺、ちゃんと働いてきたんだな」と初めて思えた。
それは、自分を肯定する作業でもあった。
物流会社の内定——評価されることの喜びを初めて知った
何社か落ちたけど、ある物流会社の面接でこう言われた。
「あなた、すごく“考えて働いてた”んですね」
涙が出そうになった。
その会社で、初めての正社員としての仕事が始まった。
最初は緊張で手が震えたけど、毎日「ありがとう」と言われる仕事は、想像以上に嬉しかった。
月末の給料明細に記載された“社会保険”の文字を見て、「やっと社会に参加できた気がした」。
就職できないと思っていた過去の自分へ
今、あの夜中3時の検索がすべての始まりだったと思っている。
「フリーター 就職 できない」——その不安を検索することで、
人生のスイッチが入った。
たしかに、簡単ではない。
でも、「変わりたい」と本気で思った瞬間から、人は変われる。
フリーターという働き方に誇りを持つ人もいる。
でも、もし今、
・将来が見えない
・自分に自信がない
・誰かに認められたい
そんな気持ちがあるなら、動いていい。
動けば、道は開ける。
その第一歩が、「検索すること」でも、いいじゃないか。
そこから、きっと人生は変わる。
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