介護職の分岐点|43歳女性・特養介護士→訪問介護事業所のサポート職へ
「40代で転職なんて、もう遅いと思っていた」
私は43歳。地方の特別養護老人ホームで働く、介護福祉士でした。
20代の頃、親の介護をきっかけにこの仕事に就き、もうすぐ20年が経とうとしていた。
仕事そのものに不満があったわけではありません。
高齢者と関わる日々の中に、感動もやりがいもありました。
ただ、ある時から、毎朝の目覚めに「体が重い」「行きたくない」という気持ちがつきまとうようになったのです。
心よりも効率を求められる日々に、違和感を覚え始めた
職場では常に人手不足。入浴介助、排泄介助、食事補助……目の前の業務をこなすだけで精一杯。
「今日は誰と話せたかな?」そんな気持ちを持つ余裕もなくなっていった。
新人がすぐに辞め、残された職員の負担は増すばかり。
上司からは「気持ちは後回しでいいから、まず回して」と言われた。
気づけば、笑顔をつくることさえ辛くなっていた。
「もう介護の現場には向いていないのかもしれない」
そんな思いが、胸の中でどんどん大きくなっていった。
「介護職 40代 転職」——勇気を出して、検索してみた
ある夜、家族が寝静まったリビングでスマホを開いた。
指が自然に打ち込んだのは、「介護職 40代 転職」。
検索結果には、私と同じように悩み、転職を決断した人の体験談がいくつも並んでいた。
年齢を理由に諦めなくていい
経験は、資産になる
そんな言葉に背中を押された。
私は、「現場」ではない場所でも、誰かを支える仕事がしたいと思い始めていたのかもしれません。
自分の経験を活かす働き方を探して
そこで見つけたのが、訪問介護事業所での事務・相談対応スタッフの求人でした。
利用者さんと直接接するのではなく、訪問スタッフのスケジュール調整、家族との連絡、記録の管理が中心の仕事。
介護の知識と経験を活かしながら、身体的な負担は少ない。
「この仕事なら、もう一度笑って働けるかもしれない」
そう思い、思い切って応募しました。
面接では、これまでの現場経験をとても高く評価してくれました。
「あなたのような人が、現場と支援者の間にいるとありがたいんです」
その言葉に、涙が出そうになりました。
転職から半年——ようやく自分の時間と誇りを取り戻した
今は、毎日定時で退社。子どもと夕食を一緒にとり、週末には好きなカフェに出かける余裕もできました。
それでも、「誰かの役に立っている」と思える仕事をしているという実感は変わらない。
介護を辞めたのではなく、介護と向き合う形を変えた。
それが私の転職の本質だったと思います。
「40代で転職なんて」——そう思っているあなたへ
たしかに、40代での転職は勇気がいります。
でも、経験があるからこそできる仕事、活かせる知識、わかる気持ちがあります。
今の働き方に違和感を抱いているのなら、それはきっと変わるタイミングなのかもしれません。
私のように、無理をせず、自分を犠牲にしない働き方を見つけてほしい。
あなたのその違和感が、分岐点です。
そしてその先には、きっと笑って働ける場所が待っているはずです。
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